日曜日の朝、神奈川県横須賀市にあるリゾートホテル『ラビスタ横須賀観音崎テラス』のロビーに、学生たちの明るい声が響き渡ります。 「おはようございます!」「今日はよろしくお願いします!」 ホテルの落ち着いた雰囲気に、どこか賑やかな雰囲気を添えている多くの若者たち。 実は彼ら、共立メンテナンスが運営する学生寮「学生会館ドーミー」で暮らす寮生です。 この日集まったのは、約40名の有志メンバー。 目的は、ホテルに隣接する観音崎海岸での「ビーチクリーン活動」です。 イベント後の参加者アンケートでは満足度「4.8点」(5点満点)という高評価を記録した今回のイベント。 普段は別々の寮で暮らし、住まいとしての「ドーミー」しか知らない学生たちが、なぜこのリゾートホテルに集まり、これほどまでに充実した時間を過ごすことができたのでしょうか? その背景には、学生スタッフ「RA(レジデント・アシスタント)」たちの情熱と、細やかな工夫がありました。 普段はそれぞれが暮らす寮でコミュニティづくりの寮生リーダーとして活動しているRAたちですが、今回は有志で集まった9名が立ち上がりました。日頃の各寮での経験を活かし、寮の垣根を超えてゼロから企画・運営に挑戦したのです。 コーポレートスローガン「よい朝のために。」を体現する“まち”と人々にフォーカスする連載「よい朝のあるまち」。 第2弾となる今回は、観音崎の地で生まれた、学生たちの新たな「挑戦」と「成長」の物語をお届けします。 「初めまして」のメンバーを「仲間」に変えるRAの仕掛け 物語の始まりは、イベント当日の朝。目的地へと向かう移動のバス車内にありました。 「最初はお互いに少し緊張しているはず。移動の時間から楽しんでほしい!」 そんな想いから、バス車内の運営を担当したRAたちは、出発直後から車内を明るく盛り上げます。 モニターやスライドが使えない車内という制約の中でも伝わるよう、声のトーンを意識し、デモンストレーションを交えながら「イントロクイズ」や「人間ストップウォッチ」といったレクリエーションをスタート。車内は一気に笑顔と歓声に包まれました。 窓の外に広がる海を眺めながら、あっという間に過ぎた移動時間。すっかり打ち解けた一行を乗せたバスは、目的地である「ラビスタ横須賀観音崎テラス」に到着しました。 ホテルへ到着してからも、初対面同士で自然と会話が生まれる仕掛けが満載です。RAたちが準備した「自己紹介ゲーム」や「横須賀クイズ」、さらにはチームで協力して挑む「お絵描きゲーム」が次々と繰り出されます。 RAたちの温かく細やかなファシリテーションによって会場全体の緊張感はあっという間にほぐれ、ほんの少し前まで初対面だったはずの寮生たちの間には、すでに和やかな仲間意識が芽生え始めていました。 自己紹介ビンゴの様子 お絵描きゲームの様子 「一見きれいに見えても……」海岸で生まれた発見 いよいよ、メインイベントである観音崎海岸でのビーチクリーンへ向かいます。 初夏の爽やかな海風が吹き抜ける観音崎海岸。シーズンということもあり、バーベキューや行楽を楽しむ人々の姿も多く見られ、一見すると「それほどゴミは落ちていないのでは?」と感じられるほど美しい風景が広がっていました。 しかし、トングとゴミ袋を手に砂浜を歩き始めると、寮生たちの視線はすぐに足元へと引きつけられます。 「あ、こんなところに小さなプラスチック片がある!」「打ち上げられたロープやタバコの吸い殻も落ちてる!」 遠目からは綺麗に見えていた海岸も、実際に足元に目を向けて歩いてみると、漂着したプラスチックごみや生活ゴミが予想以上に隠れていることに気づかされます。 とはいえ、「せっかくの地域貢献活動。でも、ただ黙々とゴミを拾うだけの作業にはしたくない」 そう考えたRAたちがスタートさせたのが、「フォトオリエンテーリング」というユニークな工夫でした。 ルールは簡単で、チームごとに指定されたスポットを探し出し、全員で写真を撮りながらゴミを拾っていくというもの。 あえて順位を競う形式にせず、景色や仲間との会話を楽しみながら進められる仕掛けによって、砂浜のあちこちから楽しげな声が上がり始めました。 「こっちにもゴミがあるよ!」「みんなでポーズを取って写真を撮ろう!」と声を掛け合い、汗を流しながら一つの目的に向かって協力するなかで、大学や学年はもちろん、国籍や普段暮らす寮の垣根を超えて、自然と絆が深まっていきました。 そして砂浜には、学生たちと一緒にトングとゴミ袋を手にした「ラビスタ横須賀観音崎テラス」のスタッフの皆さんの姿もありました。 日頃からお客様の心地よい滞在を支えるスタッフならではの細やかな気配りと、親しみやすい笑顔で、スタッフの方々も学生たちと一緒にビーチクリーンに参加! 学生たちに寄り添い、ワンチームとなって動いてくれるその姿に、参加した寮生たちも大きな安心感と一体感を抱いていました。 約1時間の清掃を終え、集められたゴミ袋は、なんと数十袋! 砂浜に並べられたゴミ袋の山は、一見きれいに見えた海岸で仲間とともに汗を流し、やり遂げた大きな達成感の証。 同時に今回の活動は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」の達成に向けた取り組みに寄与することを目的としたもの。プラスチックごみなど身近な海が抱える環境課題のリアルを肌で感じ、日常ではなかなか意識することのない海洋環境について、一人ひとりが深く考える貴重なきっかけとなりました。 きれいになった海岸を背に満足気な笑顔を浮かべる寮生たちの足取りは、これから待っているお楽しみの「ホテルランチ」へ向けて、どこか晴れやかで誇らしげでした。 「共立メンテナンスって、ホテルもやってたの!?」 海岸を綺麗にし、充実感に満ちた笑顔でホテルへ戻ってきた学生たちを待っていたのは、待ちに待ったリフレッシュ&ランチタイムです! 「ラビスタ横須賀観音崎テラス」の明るい光が差し込むレストランへ案内されると、香ばしい香りが漂う特製カレーを前に、学生たちからは大きな歓声が上がりました。 「美味しい!」「海を見ながらこんな素敵な料理が食べられるなんて最高です!」 お腹いっぱいランチを堪能した後は、ホテルの大浴場へ。 東京湾を一望できる開放的なお風呂で汗を流し、大人気のサウナや水風呂で心身ともにしっかりとリフレッシュ。自由時間には卓球を楽しんだり、ロビーラウンジでくつろぎながら今日の思い出を語り合ったりと、それぞれ思い思いの時間を過ごしました。 そして、この特別な一連の体験を通じて、多くの寮生たちの口から驚きの声がこぼれました。 「共立メンテナンスって、学生寮だけじゃなくてホテルも運営していたんですね!はじめて知りました!」 普段は「生活の場」としてしか意識していなかった寮の運営会社が、実はこんな心地よいホテルも手掛けていたこと。 そんな新しい一面を知ったことは、学生たちにとって、自分が暮らす「ドーミー」により愛着を持つきっかけにもなったようです。 RAインタビュー:試行錯誤と「挑戦」の先に掴んだ、明日への確かなモチベーション このイベントの舞台裏には、自ら有志として手を挙げ、イベントを企画・運営した9名のRAたちの成長ストーリーがありました。 今回のビーチクリーンに参加を決めた理由は、彼らそれぞれの中に。 「私の寮では今年からRAプログラムが導入されたばかり。卒業までの1年間という限られた時間の中で、たくさんの挑戦をして人前に立つ苦手意識を克服したかったんです」 「昨年のビーチクリーン運営が本当に楽しくて、そこで出会った仲間と今でもご飯に行く関係になれた。あの感動と絆をまた作りたくて即決しました」 「大学での勉強とは別に、一からイベントを作り上げる経験をしたかった。他の寮の取り組みを知って、自分の寮をもっと良くしたいという想いもありました」 それぞれが胸に抱いていたのは、有志だからこその熱い想い。 しかし、約40名という大人数をスムーズに動かすイベントの運営は、決して簡単ではありませんでした。 移動中のバスレクの構成から、初対面でも打ち解けられるゲームのルール設計、さらにはオンラインでの事前打ち合わせやシミュレーションまで、開催直前まで何度も頭を悩ませ、修正を重ねる日々。 「当日はどうなるか緊張しましたが、ゲームが始まった瞬間にみんなが笑顔で声を掛け合ってくれて。交流会からビーチクリーン、お昼ご飯までずっと仲良く話している姿を見たときは、本当に胸がいっぱいになりました」 そう語るRAの顔には、安堵と大きな達成感が溢れていました。 レクリエーションを進行する運営RA 参加者へ「参加証明書」の授与する運営RA 今回の経験を通じて彼らが掴んだのは、大勢をまとめる難しさと、チームで協力して大きな挑戦をやり遂げたという確固たる自信でした。普段関わることのない他寮のRAや留学生と深い繋がりを築けたことは、彼らにとってかけがえのない財産です。 イベントの企画・運営を通して培ったプレゼンテーション力やコミュニケーション能力、そして「自分ももっと成長したい」という前向きな刺激は、明日からの大学生活や今後のRA活動を支える大きな原動力となっていくはずです。 試行錯誤を重ね、イベントを成功へと導いたRAたち。その真っ直ぐな眼差しは、明日への希望とたくましさに満ち溢れていました。 一歩踏み出した挑戦が、明日への「よい朝」をつくる 単なるボランティア作業で終わらせず、自ら手を挙げて企画し、仲間とともに環境問題や地域に向き合った観音崎ビーチクリーン。 自分たちの手で海岸を少しでも綺麗にできたという貢献実感と肌で感じた環境課題。 他大学や留学生といった、普段の大学生活では出会えない仲間と出会い、広がる人脈。 観音崎の爽やかな海風を受けて過ごしたかけがえのない一日は、参加したすべての寮生にとって、日々の学びや新たな挑戦へ向かうための確かな「明日への活力」となりました。仲間とともに汗を流し、一回り大きく成長した学生たちの真っ直ぐな想いは、これからもそれぞれの日常を優しく照らし、どこまでも爽やかで心地よい「よい朝」を届け続けていくことでしょう。